今回紹介するハンドメイド衣装は『制服』です。
消防士、ナース、警官など様々な制服がありますが、
この度ご注文くださったお客様の制服は、お子様の高校の制服です。
そして、制服を着せるぬいぐるみが『特大のモンチッチ』の事例となります。
お客様とのやり取りから製作過程、こだわりポイント、お客様からの感想などご紹介します!
この記事の目次
【ご要望】1ヶ月後にモンチッチに高校の制服を着せて欲しい
ご依頼いただいたのは確か2月の上旬頃
非常にバイタリティある学校の保護者会の役員をされているお母様からのご相談でした。
ご相談内容や事前情報をまとめると
- モンチッチは準備済み
- モンチッチのサイズは70cm
- PTAから学校へ卒業記念品
- 3月7日が卒業式
- 納期と値段を知りたい
- 男女ペアで作ってほしい
- ネクタイや靴も作ってほしい
既に具体的な内容にまとまっており
ご要望、ご相談内容が明確でした。
ご要望にお応えする為のポイントは2つありました。
身長が70センチの特大サイズ
3月7日まで制作・納品まで1ヶ月しかない
早速クリエイターさんと検討に入りました。
制限時間は1か月!お客様の感動を超えるための闘いが始まる
クリエイターさんとスケジュール確認から予算などバタバタ状態で緊急会議!汗
出した答えは・・
『やらせて頂きます!!!!』
スタッフ(・・・・汗)
シェリーマリエは今まで殆どご相談を断る事なく受注してきました。
急なご注文、変わり種のぬいぐるみ、特殊なサイズなど他で断られたぬいぐるみ衣装をハンドメイドで作ってきました。
・・内心ドキドキですが。
まずはお客様の想いを言葉にする事から
シェリーマリエでは本当にお客様に感動していただく商品を提供する為には、お客様の『想い』や『エピソード』を私達も共有することが大事だと考えています。
そこで、お客様には『ヒアリングシート』に具体的にエピソードなどがあれば、記入していただいています。
その過程で、お客様ご自身が忘れかけていた様々なエピソードを思い出すキッカケになり、プレゼントに対する想いが深まるので好評みたいです。
”想いを形にする過程には物語がある”
私達はそう考えています。そこの想いをできる限り共有することで本当に喜んでいただける作品・サービスを提供できると信じています
・・少し力説してしまいましたね笑
ヒアリングと同時に、画像確認をクリエイターさんと共に行います。
お客様からは実物のモンチッチのぬいぐるみや着せたい制服の画像などをお見せ頂きます。
こちらが実際の高校の制服画像です。グレーと黒の切り替えがあるスタイリッシュな制服ですね!
果たしてこの大きなモンチッチにご希望通りに制服を着せることができるのか?
超絶短納期のご要望に無事お届けすることができるのか?
お客様の想いを共有し一緒に実現のお手伝いをする
お客様のヒアリング内容がこちら
- 卒業式では体育館の入り口でお披露目する。
- 卒業式だけでなく入学式や各種イベントに、高校のマスコット的な扱いでどんどん登場してもらいたい。
- どのようにプレゼントまたは飾り付けすれば良いか、小物の提案をしてほしい。
- 来年度以降の高校への話題作りの一環としてモンチッチの活躍に期待をかけている。
- 3月7日の卒業式に間に合うとありがたい(万が一間に合わなくても記念品として学校に贈る予定)。
などなど、詳細に想いを言葉にして共有してくださったので、ご要望にお応えするためにより良い提案が出来ないか考えていきます。
「お客様の気持ちに寄り添うこと」を大切にしています。
フルオーダーメイドのぬいぐるみ衣装は、通常約2カ月ほどかかります。毎回形が違うぬいぐるみに1から型紙を作り、仮縫いして裁断縫製するまでとても大変な作業ですが、今回は卒業式まであと約1ヵ月とのこと。
「もし卒業式に間に合わなくても、記念品として学校に寄贈する」とお客様に教えていただきましたが、高校の制服を着たモンチッチたちに卒業式にぜひ出席してほしい。あと1ヵ月では他のぬいぐるみ衣装オーダー、でもほぼ受け付けてもらえない。
「外で断られたオーダーを承ると言うシェリーマリエの理念を実現するにはどうしたら良いか?
そんな熱い思いを胸に、まずはクリエイターさんに相談です。
「ぬいぐるみ服難民を出さないこと」と言う私たちの熱い想いに共感していただいているクリエイターさんのおかげで、何とか制作がスタートできることに!
クリエイターさんには本当にいつも感謝です。
実現可能かどうか、納期が間に合うかの確認をしてから、お客様にお見積もりをお送りしています。
そして男女の制服を作るというご依頼です。
ぬいぐるみ服オーダーで1番大変なのは生地選び!色の再現性にとことんこだわります
今回のオーダーで1番大変だったのが生地の色と質感!
制服リメイクではなく、あくまでも写真と似た雰囲気に仕上げると言うものですので、写真を見て全てを判断する必要があります。
グレーなのか紺なのか、そしてネクタイの色は、等々、写真をじっくり見て生地選びをします。特に素材選びが最も悩むところです。写真から受け取るイメージと実際の現物にはおそらくいろんな違いが出てしまいます。
私たちはお互いに「新配色カード」と呼ばれる共通の色見本帳を持っています。
「このジャケットはdkg20の色だと思いますがどうですか?」「素材はツイルに見えますが、それともオックスでしょうか?」のようにやりとりをします。
今回実際に送られてきた生地写真です。こうして生地選びが終了すると、早速パターン作成に入ります。
オーダーメイドぬいぐるみ服は、再現性にとことんこだわります!
ぬいぐるみ衣装制作の豊富な実績を持つクリエイターさんはパターンや縫製、そして布のプロ。限られた時間の中でどんどん作品作りが進んでいきます。
下記は、高校制服のパンツです。(男子)
モンチッチのパンツを作る際にも、配色の切り替えまでこだわりました。
制服を着せてしまえば見えない部分にまでこだわりが感じられます。
ネクタイの柄選びに苦戦!市販の生地にない場合はネクタイから作る!
無地のものは色見本帳で解決できても、ネクタイなどの柄選びは難航します。
全く同じと言う柄のものをぬいぐるみサイズで見つける事はほぼ不可能なので、どこまで似せるか、そして似ているように見えるのかの判断がギリギリまで続きます。
そのために何軒も生地屋に汗を運ぶことも。
ネット通販で布が買える時代ですが、微妙な色の違いや質感の違いはやはり直接見て触ってと言うことが欠かせません。
今回の制服のネクタイはこちらです↓
斜めストライプのこの柄は、生地屋では発見できなかったため現物のネクタイから探すことに
そして雰囲気が似ている2種類をチョイスしてモンチッチに合わせます。
鮮やかなほうは少し赤が強すぎました。
1本のネクタイから、モンチッチ用のネクタイ二本をつくります。
こうして合わせてみると、とっても似ていますね。
短期間で、とてもクオリティーの高い作品ができました。
お客様の反応
怒涛の1ヶ月間はあっという間に過ぎ去って行きました。
お客様へ商品の手配は完了しあとは無事に到着したのか?
卒業式を迎えられた保護者の方、卒業生の方々に喜んだいただけたのか?
お客様からの反応をいただくまで気は抜けません!
商品到着
商品は無事に卒業式の2日前に納品させていただき、保護者の会の方には現物を確認してもらいました。お客様からのお声を紹介させて頂きます。
モンチッチは無事にお客様の手元に届いて何よりです。まずは一安心です。
2日後の卒業式でお客様の描いた通りにモンチッチが卒業生の皆さんに披露され喜んで頂くまでハラハラします。
卒業式当日
そして、卒業式当日
70㎝の大きなモンチッチたちはベンチに飾られ、保護者の会の方から大きな祝花と共に華やかにディスプレイされていました。
無事に卒業式を終えられてお客様からメッセージを頂きました。
”クラスをまわっている時に、やはり制服の出来具合が気になるのが、戻ってきた時かなり着衣が乱れていたのも(笑)ここならではの反応かと思います^_^”
どうやら被服科の学生さん達にも喜んでいただけたようです!(縫製はいかがでしたか?お手柔らかにお願いしますね・・)
保護者の方からインスタグラムにも投稿していただけました!
ありがとうございます!!
多くのコメントの中で
PTAのママさんたちはみんな孫を抱くみたいな姿と言葉がけで抱いてて面白かったなー
というコメントにウルっときました(泣)
忍岡高校の制服を着たモンチッチは、これからも入学式や卒業式で活躍するそうです。
お手伝いさせていただいたハンドメイド商品が、生徒さんや保護者の方々の想いや願いとして思い出に残るというのは大変感慨深いものです。
特大なモンチッチには最初はビックリしましたが、これでお別れとなると寂しくなりますね・・
最後に、忍岡高校卒業生のみなさま!ご卒業おめでとうございます!
また、保護者の会の皆さまもお疲れ様でした。
また一緒に想いで作りをお手伝いさせていただける日が来る事を心よりお待ちしております笑